子どもの体調は『体温測定』だけ
でなく『ママ温計』とセットで判断

新しい習慣として定着しつつある毎朝の体温測定。体温は、子どもの体調を把握するうえでの大切な手がかりになります。今回は、子どもの体温の特徴や正しい測り方、時間やタイミングについて、小児科医で2児のママでもある工藤先生に聞きました。

小児科医工藤紀子先生の検温のお話

大人とは違う?子どもの体温の特徴

コロナ禍で、体温測定が朝の日課になったご家庭も多いのではないでしょうか。

体温は子どもの体調を把握するサイン。まずあらかじめ知っておきたいのが、子どもに体温の基礎知識です。
では子どもの体温は、大人とどう違うのでしょうか?

小児科医工藤紀子先生の検温のお話

工藤先生:「子どもは体温調節機能が未熟で、体温が環境温度に左右されやすく、食事や運動、衣服の影響を受けやすいのが特徴です。」

夏の暑い日などに、顔を真っ赤にしている赤ちゃんや子どもをよく見かけるのは、体温調節がうまくできず、体に熱がこもってしまっている現象なのだそう。

子どもの体温は大人より高いと聞きますが、平熱はどれくらいなのでしょう?
工藤先生:「たしかに赤ちゃん(乳児期)の体温は少し高めですね。
3歳~11歳(幼児期)になると36.7°Cくらいで、大人とほとんど変わりません。
また、体温は一日の中でも0.5~1.0°Cぐらい変動し、朝は低く夕方になると少し上がるのが人間の身体のリズムです。」
朝は36°C台だった体温が、夕方37°Cまで上がると『熱があるのではないか』と心配になってしまいますが、これは自然なこと


37°Cは発熱の時もあるし発熱でない時もある。
発熱を判断するには、普段の平熱をきちんと把握しておくことが大切です。

毎日測ってこそ 、体調の変化に気づける

体温は毎日測ってこそ、体調の変化に気が付くことができます。
では、平熱はどのように把握したらよいのでしょうか?
毎日測ってこそ、体調の変化に気づ ける

食後や入浴後、運動後は体温が上がるので、避けるのがベスト。
赤ちゃんや子どもの場合、泣いた後も体温が上がってしまうので、なるべく機嫌の良いときに測るのがよいそうです。

工藤先生:「体温は『体調が悪いな』『風邪気味かな』という時だけでなく、毎日測ることが重要です。そうすることで、子どもの体調の小さな変化にも気付きやすくなります。」

工藤先生:「体温測定は、毎日できるだけ同じ時間帯、同じ環境、同じ状態で測定することが大切。
生活活動に影響されない『朝起きてすぐ』のタイミングがおすすめです。」

親子のスキンシップ、検温のお話

体温測定よりも「ママ温計」「パパ温計」
の感覚がなによりも大切

一方で、「日々の体温測定は、子どもの体調を把握するための手段に過ぎない」と工藤先生は言います。

工藤先生:「体温測定の数字はあくまで目安。それよりもっと大切なのは、体温を測るときに子どもに直接触れて『体調はどうかな?』『顔色はどうかな?』『機嫌はどうかな?』とスキンシップをとること。

『体温はいつもと同じなんだけど、なんとなく今日は熱がこもってる気がするな』とか、ママの手で触れることでわかることってあるんですよね。

わたしはこれを『ママ温計』と呼んでいるのですが、子どもの体温を測るときは、ぜひ『ママ温計』による親子のコミュニケーシ
ョンを一番大事にしてほしいです。」

体温は体調不良のひとつの目安ではありますが、体温が高いほど重症とは言いきれません。体温計の数字だけで判断せず『ママ温計』もセットで子どもの体調を把握するのが、一番大切なのだそうです。

小児科医工藤紀子先生

工藤紀子 (小児科専門医・医学博士)
日本小児科学会認定小児科専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/こころ新橋保育園嘱託医/東京インターナショナルスクール中目黒キンダーガーデン嘱託医。二児の母でもあり、育児や子育てに関するアドバイスも行っている。